2022.11.12 レディース Origin~ゼルビアレディース選手の原点に迫る~ vol.7 武田詩子 「Origin~ゼルビアレディース選手の原点に迫る~」は、レディース選手がどのようにサッカーにのめり込み、現在に至るのかを聞いたインタビューです。今回は町田市出身、2018シーズン振りにチームに復帰した武田詩子選手に話を聞きました。 --サッカーを始めたきっかけを教えてください サッカーを始めたのは小学校3年生になる直前で、きっかけは当時流行っていたサッカーアニメでした。GKが主人公の、人間離れした必殺技がでてくる某有名アニメです。(笑) とはいえ、その必殺技に憧れたわけではなく、女の子のキャラクターがいて「女の子でもサッカーしていいんだ」という感情を抱いたのが大きなきっかけでした。 そこから両親にサッカーがしたいと頼んだのを覚えています。 テレビをつけたらたまたま放送していたアニメがきっかけで、ここまでサッカーを続けているのは自分でも不思議に思うことがあります。 --ゼルビアレディース加入の経緯を教えてください 中学3年生の時、どこでサッカーを続けるか、そもそもサッカーを続けるか進路に迷っていました。 そんな中、守屋さんや当時所属していたFC町田ボニータでもお世話になっていた村上さん(現:山梨学院大学)に「次のステージでも一緒にサッカーをしないか」と誘っていただきました。それからセレクションを経て、高校1年生の時、ゼルビアレディースの設立とともに入団しました。 その後2年間ゼルビアレディースに所属し、一度チームを離れました。 そして今年、奥山監督にお声がけいただき、復帰する運びとなりました。 2018年にゼルビアレディースを離れてからは、FC町田ボニータなどで主にコーチという形でサッカーに関わっていました。そのため、メインプレイヤーとしては高校生ぶりとなる復帰に関して、とても悩みましたが、今は復帰を決断して良かったと心から思います。 --ゼルビアレディースはどんなチームですか トップチーム同様、不屈の精神をもったチームだと思います。 私はゼルビアレディース通算3年目のシーズンですので、初年度の2017年と2018年のシーズンも経験しています。最初の2シーズンは、試合などの結果だけでなく、ゼルビアレディースの土台を作るという面でも困難が多かった印象があります。その中でもチームはぶつかりながらも一丸となり、前に進んでいきました。 そこから昇格を重ねていき、今があります。しかし、これまで所属していた全選手・スタッフそしてサポーターのみなさんもさまざまな苦難に直面するたびに、転んでも立ち上がり進み、ゼルビアレディースを繋いできたと思います。 ゼルビアレディースは創部から6年目というまだ若いチームですが、困難をゼルビアらしい不屈の精神で乗り越えてきた歴史・文化があると思います。今年も厳しい状況が続きますが、チームの色としてそれを体現することが、最低限私たちにできることだと思います。 --サッカーをしていて苦しかった経験はありますか 今までを思い返せば、決して順風満帆とは言えず、苦しい経験の方が圧倒的に多かったと思います。 特に、怪我をして全体練習に混ざれない・試合に絡めない・サッカーができないというのは非常に苦しかったです。 その中でも印象的なのは、高校2年生の最初に膝を怪我し長期離脱することになった時です。初めての大きな怪我でボールを蹴ることはおろか歩くこともままならない状況にひどく落ち込んだのを覚えています。 苦しかったのは怪我をしたこと自体やリハビリで外から練習や試合を見ることだけではありません。怪我からの復帰後も自分のサッカーができず、試合に絡めなかったことも非常に苦しかったです。 ひとつ悔しい思い出として、2018年の小野路グラウンド開催の東京都4部リーグ、試合のメンバーから外れその試合の記録をしていた私は、サポーターのみなさんとの勝利後のラインダンスに参加することができず、現在まで引きずっている心残りでもあります。 しかし、苦しい経験をして、サッカーが”いや”になったことはあっても、”嫌い”にはなれず、結局はサッカーが好きという原点に戻ってきます。あの時を経て今があることを考えれば、苦しい経験をたくさんして、乗り越えてきて良かったと思います。 --ファン・サポーターの方へメッセージをお願いします いつも熱い応援ありがとうございます。 ゼルビアレディースを離れていた期間も、ファン・サポーターの皆さんは街中で会えば声をかけてくれて、ゼルビアファミリーの温かさを感じました。ここでは書ききれないくらい、今までたくさんの応援をいただきました。 そして今年、ゼルビアレディースに復帰し、関東リーグでファン・サポーターの方々を見て、1年目からの変わらぬ熱い応援に感慨深さと同時に勇気や原動力をもらいました。本当にありがとうございます。 今シーズンは不甲斐ない結果が続き、ファン・サポーターの皆様には申し訳ない気持ちでいっぱいです。 今後も私たちらしく、チームで一丸となって前へ進んでいきます。 応援よろしくお願いいたします!